樹液・樹脂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 18:19 UTC 版)
日本で最も有名なのは樹液を塗料として使うものである。成長期である夏のウルシ属の幹に故意に傷を付けて出てきた樹液を採取する(引っ掻き傷のような線形の傷ができることから、ウルシを「掻く」と呼ばれる)。しばらくすると乾いた樹液がかさぶたのように傷口をふさぎ樹液の出が悪くなるので、数日おきに傷を付け樹液を出させることを繰り返す。その年の分を掻き終わった晩秋に樹を切り倒してしまう掻き方を「殺し掻き」、翌年以降も採取を続ける方法を「養生掻き」などと呼ぶ。国産漆の7割を生産するの最大の生産地は岩手県北部の二戸市浄法寺町で、採取される漆は浄法寺漆などと呼ばれブランド化されており、15年生ー20年生のウルシの樹を掻き始めたその年に伐採してしまう殺し掻きで採取を行っている。ウルシ科の樹液から作られた漆を使った塗り物は日本だけでなくアジア地域に広くみられ、たとえばミャンマーではビルマウルシ(Gluta usitata)が漆として用いられている。ギリシャではカイノキ属からマスティック・ガム(英:mastic)と呼ばれる樹脂を採取し使う。 漆 尾形光琳作の漆器で日本の国宝 明時代の中国の漆器 ラペソーに使われるミャンマーの漆器 ギリシャにおけるマスティックガムの採取風景 マスティックの結晶
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