楽曲間の関係性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 08:56 UTC 版)
本作は組曲であるとされることも少なくないが、バルトークが通常全曲を通して弾くことはなかった。彼は1926年12月8日のハンガリーのラジオ放送で第1曲、第4曲、第5曲を初演し、それ以外にも様々な機会に第4曲を演奏した。彼は出版社に宛てた手紙の中で曲集について「5つのかなり難しいピアノ曲」と述べており、組曲とは表現していない。調性の中心がE-G-A-G-Eと続くことからアーチ構造が提唱されているが、D-G-D-G-Fなどの異なる調性中心を主張する声もある。ニスマンは各曲のモチーフと終了のさせ方が曲集中の次曲をいかに論理的に導くかを示して見せている。本作は元来2巻に分けて出版される予定であった。第3曲までを第1巻とし、残りの2曲を第2巻とする構想だったのである。 作曲の過程から、5つの曲の相互の関係性についてわかることがある。バルトークの最初のスケッチには、出版時の第1曲と第2曲が見られる。第3曲はピアノソナタの第3楽章で用いられなかった素材を使用し、後から付け加えられた。注目すべきことに、第4曲と第5曲はスケッチの中では「3」と番号が付けられたひと続きの楽曲となっている。バルトークが「夜の音楽」で見せている一つの曲、楽章中に緩やかなテンポとプレストを並置する方法は、ピアノ協奏曲第2番の第2楽章でも用いられている。
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