検出されなかったガス漏れとガス臭の弱さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 22:51 UTC 版)
「北見市都市ガス漏れ事故」の記事における「検出されなかったガス漏れとガス臭の弱さ」の解説
ガス管に大規模な破壊があったにもかかわらず、当初、微量しかガスが検出できなかったため、北ガスに対策を後手に回らせる事になった。これは、路面が凍結した上にさらに積雪があったため、ガスが地表に出られなかったことが原因とされている。 通常、都市ガスの比重は空気よりも軽い為、地中配管の破損があった場合は、地表へと漏れ出していく。しかし、厳冬期の北海道は、積雪の上、さらに路面からやや深くなったところまで凍結する。このため、ガスが地表に出られず、地層の凍結した部分から帯水層までの間を、地中を伝って拡散していったのである。 北海道の厳冬下でも、人家のある直下は周囲よりも温度が高く湿度が低いため、凍上現象は現れない。この為、地中内を伝播して行ったガスは、人家の床下へと噴出し、その内部に侵入したと見られている。 その一部は、密閉度が低く、圧力の低い下水道内に進入した。ガス配管周りではなく排水まわりからガスが検出された事、外部マンホールを開けるとガスの検出がなくなったこと、また3人の死者がいずれもトイレで発見されたことなどは、これが原因とされている。 また、この過程で付臭剤のテトラヒドロチオフェンが土壌に吸着され、そのためガス臭が弱まったという説がある。テトラヒドロチオフェンはプロパンガスで旧くから使用されている付臭剤だが、この土壌に吸着されやすいという性質のため、都市ガスには不向きであるとされている。12A・13Aの天然ガス由来都市ガスでは、より土壌吸着の少ないジメチルスルフィドが使用されている。
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