格子欠陥の化学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/10 05:41 UTC 版)
「酸化セリウム(IV)」の記事における「格子欠陥の化学」の解説
酸化セリウム(IV)は最も安定な蛍石構造において、酸素分圧や機械的負荷に応じて格子欠陥を生じる。 もっとも注目されている格子欠陥は、酸素欠陥と、セリウムイオンに局在化した電子による小さいポーラロンである。酸素欠陥の数が増えると、イオン伝導性(en:ionic conductivity)の増加によって、酸化物イオンの拡散速度が上昇する。これらの性質から、酸化セリウム(IV)は固体酸化物形燃料電池(SOFC)の固体電極として期待される。酸化セリウム(IV)は、ドープされたものも、されていないものも、酸素分圧が低ければ、セリウムイオンが還元されることで小さいポーラロンが生じ、高い導電性を示す。 酸化セリウム(IV)結晶中の酸素原子は平面上に配列していることから、アニオンの拡散は速い。格子欠陥濃度が高まるにつれて、拡散速度も上昇する。
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