柿澤自由党とは? わかりやすく解説

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自由党 (日本 1994)

(柿澤自由党 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/20 09:29 UTC 版)

日本政党
自由党
Liberals
党首・柿澤弘治
成立年月日 1994年4月20日
解散年月日 1994年12月9日
解散理由 新党移行のため
後継政党 新進党
政治的思想・立場 新自由主義保守主義
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自由党(じゆうとう、英語: Liberals[1])は、1994年4月に渡辺美智雄の首相擁立を目指し、自由民主党の国会議員が離党し結成した日本の政党。同年12月に新進党結成に伴い解散。この自由党は党首・柿澤弘治の名前から「柿澤自由党」として区別されることもある。

歴史

1994年4月8日、内閣総理大臣細川護熙は辞意を表明[2]政治改革政権(細川内閣)が終焉の時を迎えることとなった。その後継総理として野党第1党・自民党の渡辺美智雄を擁立しようという動きが起きる[3]

4月18日、渡辺擁立の動きに呼応して、自民党の中堅・若手議員のグループ「リベラルズ」(代表:太田誠一)の太田誠一、新井将敬佐藤静雄山本拓(以上無派閥)、柿澤弘治渡辺派)の5人が自民党を離党[4]。また、19日には米田建三(渡辺派)が自民党を離党し、「リベラルズ」の議員と行動を共にしたい意向を表明した[5]

20日、憲政記念館で記者会見を開き、柿澤、太田、新井、佐藤、山本、米田の6人に、無所属・無会派ながら前年の首班指名選挙では細川ではなく自民党総裁河野洋平を支持した高市早苗(後の山本の妻)を加えた7人の代議士で結党した[3][6]

なお、新井・高市は前年新党さきがけ参加を断られた共通点がある。党首は柿澤、代表幹事が太田。

政策面では、規制緩和を進め自由な経済活動を進めて自由な経済活動を保証する一方で、社会的弱者の救済、自然環境保全、食糧の安定供給や、伝統的文化の継承を重視する「ニューリベラリズム」を目指すとした[3]

最終的に渡辺は自民党からの離党を断念。4月25日、首班指名で7人全員が新生党羽田孜に投じ[7]新生党日本新党民社党改革の会との共同会派「改新」を結成した(この動きは社会党の連立離脱を招いた)[8]羽田内閣で柿澤は外務大臣に、佐藤は北海道開発庁政務次官に入閣した[9]

同年7月、海部俊樹を代表とする自由改革連合結成に参加し、同年12月の新進党結党により解散した。その後、上記7人のうち高市を除く6名は自民党に復帰(その内、柿沢・佐藤は新進党不参加で自由連合を経て復党)、高市も自民党に入党した。

その後

渡辺美智雄は1995年9月に亡くなったが、息子の渡辺喜美第41回衆議院議員総選挙で初当選し、柿澤と佐藤が所属する中曽根派に加入、2009年8月に自ら党首となって結党したみんなの党には柿沢や新井の秘書だった者が公認候補者となり佐藤自身も支援している。

また、柿澤弘治の息子の柿沢未途はみんなの党の結成に参加し、同年の第45回衆議院議員総選挙から2期連続で同党所属の衆議院議員となったが、党内で渡辺喜美と対立した江田憲司幹事長を支持して2期目途中の2013年8月に同党を離党し、その後は結いの党を経て維新の党に参加。その後、民進党希望の党などを経て、自民党に入党した[10]ものの、公職選挙法違反で起訴され、離党・議員辞職している[11]

高市早苗は2025年の自民党総裁選で勝利し、総裁に選出された[12]

歴代自由党党首一覧

党首 在任期間
1 柿澤弘治 1994年(平成6年)4月 - 1994年(平成6年)12月

関連項目

脚注

  1. ^ 新党結成、政界再編の歴史 写真特集:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2025年10月5日閲覧。
  2. ^ Inc, Nikkei (2020年4月7日). “4月8日 細川首相が辞意表明、1億円借り入れ問題で”. 日本経済新聞. 2025年10月17日閲覧。
  3. ^ a b c 1994年4月21日(木)『朝日新聞』朝刊 7面
  4. ^ 1994年4月16日(月)『朝日新聞』夕刊 1面 「太田氏ら5人 自民に離党届」
  5. ^ 1994年4月20日(水)『朝日新聞』朝刊 7面 「自民・米田氏が離党届」
  6. ^ 1994年4月20日(水)『朝日新聞』夕刊 1面 「自民離党の柿沢氏ら「自由党」を結成」
  7. ^ 『官報』号外「第129回国会衆議院会議録第15号」、平成6年4月25日付
  8. ^ 1994年4月21日(木)『朝日新聞』朝刊 1面「社党、連立を離脱」
  9. ^ 羽田内閣”. www.kantei.go.jp. 2025年10月17日閲覧。
  10. ^ 無所属の柿沢未途氏、東京15区で当選確実 自民が追加公認:朝日新聞”. 朝日新聞 (2021年11月1日). 2025年10月5日閲覧。
  11. ^ 柿沢未途氏が議員辞職 東京15区の区民「次こそクリーンな人を」:朝日新聞”. 朝日新聞 (2024年2月1日). 2025年10月5日閲覧。
  12. ^ 自民党総裁選【結果】高市早苗氏が小泉進次郎氏を破って新総裁「景色変える」、初の女性首相が誕生へ”. 読売新聞オンライン (2025年10月4日). 2025年10月5日閲覧。



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