果実・種子の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 18:49 UTC 版)
ブラジルナッツの種子はマカダミアナッツと同様に味が濃く、先住民により古くから食用にされてきた。油脂分が70%と油を多量に含むため燃料用にもされ、果実の殻は容器として用いられた。 成熟した実の長さは2.5センチメートルに及び、ナッツ類の中では特に大きくアーモンドの2倍の重さとなる。カロリーが高く、大きめのブラジルナッツの実は卵1個分のカロリーに匹敵する。脂質のうち約25%が飽和脂肪酸、約40%が一価不飽和脂肪酸で、残りがω-6脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸である。多価不飽和脂肪酸が多いため酸敗しやすい。食物繊維も多く、ビタミン類はチアミンとビタミンEが特に多い。マグネシウムや亜鉛も多く、セレンに至っては1粒 (4g) で75µgほどになり、1日の推奨摂取量25-30µgを大きく超えている。セレンの1日あたり上限摂取量は350-450µgで、800µg以上摂取すると中毒を起こす可能性があるため摂取量には注意が必要。 殻に肝臓癌の原因となるアフラトキシンを高濃度に含むため、欧州連合ではブラジル産の殻付きブラジルナッツの輸入を規制している。 殻の重さは約5キログラムあり、落下した殻が頭に直撃すると致命傷を負う危険がある。そのため、収穫作業中は保護用の盾を使用し身を守る。 上記の共生関係により、ブラジルナッツは生育場所が限られるため、栽培による生産は困難であり、多くを採集に頼っているが、アマゾンの開発とともに伐採が進み、生産量が急激に落ち込んできている。現在はボリビアの生産量が第一位となっている。
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