材料の異方性以外に由来する光学複屈折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 00:44 UTC 版)
「複屈折」の記事における「材料の異方性以外に由来する光学複屈折」の解説
複屈折は異方性結晶に由来することが一般的だが、光学的に等方な材料から複屈折を発生させる方法として以下が挙げられる。 光弾性 : 等方性の材料に応力が加わったり、変形(引張りないしは曲げ)したりした時に、系の等方性が崩れる結果発生する。 旋光 : 光学活性のある分子の溶液などで、光学純度(鏡像体過剰率)に偏りがある場合に発生する。 構造複屈折 : 波長より小さい周期の構造に起因して発生する。例えば、円柱が波長より十分に小さい間隔で配列されている場合には円柱方向の屈折率と円柱に垂直な方向での屈折率が異なるようになる。また、波長より狭い間隔の溝が周期的に並んだ構造(ラインアンドスペース構造)があった場合には、溝と平行な方向と垂直な方向で屈折率が異なるようになる。メタマテリアルの一種。 カー効果 : 外部から強い電場が印加された場合に、等方性材料中に電場の二乗に比例した複屈折が発生する。印加電場が光電場に由来する場合は特に光カー効果と呼ばれ、非線形光学効果の一種として扱われる。 ファラデー効果 : 等方的な材料に磁場を印加することで、旋光性が発生する。磁場が印加されている時だけ、左円偏光における屈折率と、右円偏光における屈折率が異なるために光学的に活性になる。この光学活性は印加磁場を切ると直ちに失われる。 自発的ないしは強制的な配向 : 両親媒性分子や、脂質や、界面活性剤や、液晶を薄膜にした際に発生する。
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