光カー効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/07 22:38 UTC 版)
カー効果を引き起こす電場が光電場のとき、この現象をとくに光カー効果という。非線形光学効果の一種である。伝播する光それ自身によって引き起こされる光カー効果(例えば自己集束)もあるし、別に導入する光によって引き起こされる光カー効果もある。後者においては、ピコ秒・フェムト秒のレーザーパルスを用いるとパルス電圧を用いる場合以上に高速のシャッターとして動作させることが可能であり、超高速分光や超高速イメージング等に応用されている。 光カー効果は、3次の非線形光学媒質に光が入射した際に電気感受率が変化することに由来する。光カー効果では入射光の強度に依存して媒質の屈折率が変化するため、媒質中で光の位相速度が変化する(自己位相変調)。 3次の非線形光学媒質中を光ビームが透過する時、その媒質の屈折率は光ビームの強度の空間分布に応じて変化する。光ビームが断面の中心で強度が最大となる時、屈折率変化も中心で最大となり、光ビームが媒質中で自分自身を収束させる働きをする。この効果を自己集束(self-focusing)という。
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