杉沢村伝説とは? わかりやすく解説

杉沢村伝説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 02:43 UTC 版)

杉沢村伝説(すぎさわむらでんせつ)は、青森県にあったとされるにまつわる都市伝説[1]

概要

伝説の内容

かつて青森県の山中に、杉沢村という村があった。昭和の初期、「一人の村人が突然発狂し、村民全員を殺して自らも命を絶った」という事件が起きた。誰もいなくなった村は、隣村に編入されて廃村となり、地図の公式文書から消去された。しかし、その廃墟悪霊の棲み家となって現在も存在するという。

杉沢村の場所について

この伝説が流行した時期、「村への道筋を示すキーワード」とされるものが各種メディアで伝えられた。諸説あるが、概ね次のようなものである。

  • 村へ向かう道路に「ここから先へ立ち入る者 命の保証はない」と書かれた看板がある。
  • 村の入口に朽ちた鳥居があり、その根元にドクロのような(もしくは)がある。
  • 奥へ進んでゆくと廃墟と化したかつての住居があり、その内部では事件の惨劇を物語る血痕のようなものが多数見受けられる。

メディア

この伝説はインターネット上で話題になり、「杉沢村」を調査・捜索しようとする廃墟マニアやオカルトファン、または「肝試し」目的の者が現れ、各々の冒険譚がインターネットなどで公開された。

2000年8月24日放送のフジテレビバラエティ番組奇跡体験!アンビリバボー』の特番で取り上げられたことで全国的に広まった。同番組では数回にわたり「杉沢村」の特集を行ったが、最後まで村の正体は分からず「杉沢村は時空の歪みの中に存在し、現われたり消えたりする村である」と結論づけた。

由来

1953年昭和28年)12月12日には青森県中津軽郡新和村(現・弘前市)の小友地区にて一家7人が猟銃で射殺される事件(青森県新和村一家7人殺害事件)が発生したが、斎藤充功・石川清は同事件が「杉沢村伝説」の由来になった説を指摘している[2][3]。また、並木伸一郎は「同事件は津山事件を連想させるものだったため、2つの事件が混同されて都市伝説の下地になった」と指摘している[4]

このほか、森村誠一の小説『野性の証明』に登場する「大量虐殺事件が起こった岩手県の『風道』という集落」のモチーフがこの伝説である、とする説もある。

その他の「杉沢村」

青森県内には青森市浪岡(旧南津軽郡浪岡町)や三戸郡南部町三戸町などに「杉沢」という集落・地名があるが、この「杉沢村」とは無関係である。

関連メディア

雑誌

  • ダークサイドJAPAN vol.1(2000年8月、大洋図書) - 杉沢村がマスメディアに初めて登場、取材執筆者はライターの赤木太陽[5]

テレビ

ビデオ

漫画

映画

  • 杉沢村都市伝説 劇場版(2014年6月28日、チャンス・イン) - 主演・伊藤寧々[注 1]

ゲームアプリ

  • 都市伝説 〜杉沢村からの脱出〜(2015年、SEEC

脚注

注釈

  1. ^ 『杉沢村都市伝説 劇場版』(すぎさわむらでんせつ げきじょうばん)は、監督:鳥居康剛、エグゼクティブプロデューサー:藤岡修・酒匂暢彦・大橋孝史、プロデューサー:高口聖世巨、キャスト:伊藤寧々・板倉臣郎・副島しんご・美紀乃[7]、製作:ハピネット、製作・配給:チャンスインの映画である[8]。主人公の澤本裕子(伊藤寧々)は友人3人とインターネットで話題になっていた地図から消えた村「杉沢村」を旅し、その動画をインターネットで公開したが、後に友人のひとりが失踪してしまい、真相を突き止めるべく杉沢村を再び目指す[9]

出典

  1. ^ 松山ひろし 『3本足のリカちゃん人形―真夜中の都市伝説』 イースト・プレス、2003年、179-181頁。
  2. ^ 斎藤充功 著「【第二章】一族殺し 青森「8人放火殺人事件」1953 「リンゴ園8人殺し」の犯人が無罪放免の不思議」、中園努(編集人) 編『ザ・歴史ノンフィクション 戦後日本の大量猟奇殺人 教科書には載せられない悪魔の事件簿 その”黒い霧”に隠されたタブーの正体』41号(初版第1刷発行)、ミリオン出版(発行所)・大洋図書(発売元)〈X-BOOK ミリオンムック〉、2014年12月10日、93-96頁。ISBN 978-4813071419 
  3. ^ 石川清「連続“肉親”殺人 青森某所に存在した「呪われた村」」『元報道記者が見た昭和事件史 歴史から抹消された惨劇の記録』(初版発行)洋泉社、2015年11月30日、39-42頁。 ISBN 978-4800307965  - 同文中では人名・地名などはすべて仮名である。
  4. ^ 並木伸一郎「杉沢村はどこにある」『最強の都市伝説』 1巻(電子書籍版)、経済界、2007年5月1日。 ISBN 978-4766783988 
  5. ^ 『ダークサイドJAPAN』 vol.1、大洋図書〈ミリオンムック〉、2000年8月。 ISBN 978-4-8130-0352-6 
  6. ^ 『怨霊・日本列島』宙出版〈ミッシィコミックス〉、2005年8月。 ISBN 978-4-7767-1721-8 
  7. ^ 杉沢村都市伝説 劇場版”. 映画.com. eiga.com. 2014年6月25日閲覧。
  8. ^ 映画『杉沢村伝説 劇場版』”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ (2014年3月20日). 2014年3月20日閲覧。
  9. ^ 「乃木坂46」伊藤寧々、美紀乃の「めんこい」告白に照れ! 共演者から女優資質を絶賛され「伸びしろある」”. News Lounge. バイルメディアプロダクション (2014年6月29日). 2014年6月29日閲覧。

参考文献

  • 鳥居康剛『杉沢村都市伝説 劇場版』Happinet、2014年8月2日。ASIN B00IRO4P5C 

関連項目

外部リンク


杉沢村伝説

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怪談都市伝説」の記事における「杉沢村伝説」の解説

1人の男により村民全員殺害され廃村になったがあった、というもの。津山事件の他複数事件混同されていき、架空事件作り上げられたものが噂の元とも言われる詳細は「杉沢村伝説」を参照

※この「杉沢村伝説」の解説は、「怪談都市伝説」の解説の一部です。
「杉沢村伝説」を含む「怪談都市伝説」の記事については、「怪談都市伝説」の概要を参照ください。

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