木造の構造・工法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 19:53 UTC 版)
木造建物は丸太を組み合わせて作られた。最も基本的な工法は「ヴェネッツ」と呼ぶもので、丸太を水平に組み上げ長方形の平面をつくっていくものである。丸太を垂直の柱に打ち付けると、水平方向の丸太が乾燥して隙間ができてしまう。一方で、ヴェネッツ工法では丸太の接合部にホゾをほることで隙間ができにくくしていた。丸太の接合方法は主に以下の3通りあった。 おわん組み ほぞ組み すきま組み 一軒の家を造るためには150本から170本の丸太を必要とした。丸太の間の隙間を完全に埋めるため、苔を詰めた。天井は丸太で組んで、天井裏に粘土を塗った。床は平板を敷きつめた。丸太を組んだ角の部分には基礎として大きな石を置くこともあった。 木造建築は時代が経ると技術の高度化と丸太木工の規格化が進んで、家一軒を組み立てるのに数時間ですむようになった。たとえば、1551年にロシア軍がタタール人の街であったカザンを包囲するために城塞都市のスヴィヤーシュスクを建設したが、僅か一ヶ月の工期であった。
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