有機パラジウム(IV)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:54 UTC 版)
「有機パラジウム化合物」の記事における「有機パラジウム(IV)」の解説
最初の有機パラジウム(IV) 化合物は1986年に報告された。Me3Pd(IV)(I)bpy(bpy = 2配位2,2'-ビピリジン配位子)。この錯体はヨウ化メチルをMe2Pd(II)bpyに酸化的付加させることで合成された。 パラジウム錯体の反応性の高さは、Pd(0) とPd(II) の相互変換が容易であることが原因である。しかしPd(II) とPd(IV) の間での相互変換がどのようにパラジウムを触媒とする有機金属反応に関わっているかは詳しくわかっていない。2000年にヘック反応についてその機構がわかった。この反応はアミンの存在下で1,5-水素シフトが起こっていることがわかっている。 金属環状化合物(英語版)(メタラサイクル)ができることでヒドリドシフトが起こっていると考察されている。 しかし、関連する反応でヒドリドシフトが起こりつつパラジウムの形式的酸化数が2のままである反応もある:。 またそのほかの反応(2つのPd転位を伴う新しいインドール合成法)で2つの異なる触媒サイクルの間に化学平衡が成立していると考えられる反応もある。 ある種の分子内カップリングでは酸化数にかかわらず反応が進行する。
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