有機ランキンサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/21 03:13 UTC 版)
有機ランキンサイクル(ゆうきランキンサイクル、英語: Organic Rankine Cycle)は、熱媒に水ではなく有機物を用いたランキンサイクル、蒸気タービンである。
水より蒸気圧の高い、あるいは低い液体を用いることで、より低温の温度差から運動エネルギーを取り出したり[1]、逆に高い圧力を避けつつ高い温度(中温排熱)から運動エネルギーを取り出すことが出来る[2]。地熱、廃熱回収、バイオマス、太陽熱などが熱源として考えられる[3]。
実用例として、70 ℃から120 ℃の源泉を50 ℃ほどに下げて供給しつつエネルギーを得るバイナリーサイクルが実用化されている。
中温排熱としては、工場の排熱を利用する方法が提案されていて、2MPa、300 - 450 ℃、500 kW以下の排熱においては水蒸気ランキンサイクルよりもエネルギー回収率が高いとされる[2]。
脚注
- ^ “オーガニックランキンサイクル(ORC) | 環境用語集 | 環境ビジネスオンライン” (日本語). www.kankyo-business.jp. 2023年1月17日閲覧。
- ^ a b 岡崎泰英、加藤剛、柳浩敏、大塚裕之、大島翼「中温廃熱を対象とした有機ランキンサイクル発電設備の開発」『Hitz技報』第72巻第1号、2011年、46–51頁、ISSN 1882-0018。
- ^ “三菱重工 | 有機ランキンサイクル(ORC)技術” (日本語). 三菱重工. 2023年1月17日閲覧。
関連項目
有機ランキンサイクル
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「ランキンサイクル」の記事における「有機ランキンサイクル」の解説
詳細は「en:Organic Rankine cycle」を参照 有機ランキンサイクル(英: organic Rankine cycle)(ORC)はn-ペンタン やトルエンのような低沸点の有機液体を水と蒸気の代わりに使用する。これにより、ソーラーポンドのような70~90℃程度の低温の熱源の利用を企図する。 熱源の温度が低いので熱効率は著しく低いが、これまで利用価値の無かった排熱等の低品位の熱源を活用できるので意義がある。水よりも低い沸点の流体を使用した場合、熱力学的な恩恵が得られる。例は水銀蒸気タービンを参照。
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