有機リン中毒の解毒剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 01:51 UTC 版)
「有機リン化合物」の記事における「有機リン中毒の解毒剤」の解説
プラリドキシムヨウ化メチル(pralidoxime iodide)は、有機リン剤中毒の特異的な解毒剤である。商品名はパム(PAM)、またオキシム剤と呼ばれることもある。化学的にはピリジニウム環にオキシム部位が置換した構造を持つ。 サリンやVXガスの解毒剤として知られているが、本来想定していた用途は、有機リン系の農薬中毒に対してであった。しかし、サリンなどの神経ガスも有機リン剤の一種であるため、効果を発揮する。1995年の地下鉄サリン事件では、日本各地のPAMを新幹線で集め、600人以上の被害者の命を救ったことで、一躍有名となった。 また、アトロピンも有機リン剤中毒等の治療にも用いられ、地下鉄サリン事件での治療にも用いられた。 アメリカ軍では神経ガスに暴露してしまった時にアトロピンを打つ事が規定されており、「各BC兵器のタイプ別の症状をイラスト化した」簡易マニュアルが配布されている。
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