更迭(こうてつ)
ある地位に就いている人の役職を解き、そこに別の人を充てることを指す。通常は任命権者の意向に沿って、辞表を提出することによって行われる。
内閣総理大臣(首相)には、内閣を構成する国務大臣(閣僚)を任命するとともに、閣僚を罷免する権限が与えられている。内閣の統一性を維持するため、首相は任意に閣僚を辞めさせることができる。
しかし、罷免という強硬な手段を発動すると、罷免された者の肩書きに大きな傷が残ってしまう。そこで、辞めさせたい閣僚に対して辞表の提出を促し、その辞表を受理するという手続きで閣僚の人事異動を実現させている。
過去の例を見ても、「一身上の都合」や人事異動の結果として辞任するケースが目立つ。任命権者に罷免の意向があっても、形式的には辞意の表明に留まることから、マスコミ用語として「事実上の更迭」という言葉が使われるわけだ。
小泉純一郎首相に更迭された田中真紀子大臣の場合、この人事異動が「更迭」であることを明言した。田中大臣は辞表への署名を留保しているが、口頭で辞意を表明したことから、政府は田中大臣が辞表に署名しなくても法的な問題なく免官したという立場をとっている。
(2002.01.31更新)
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