映像制作の手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 14:15 UTC 版)
ZDFやORFなどの放送局と共同制作を行った場合は通常の演奏会のライヴ収録を行うが、テレモンディアルの独自制作による場合は、カラヤンのこれまでの映像制作のノウハウに基づいた独特の制作スタイルをとる。 学生オーケストラを雇って収録する作品を演奏させ、カット割りなどを決める。 収録作品を取り上げる演奏会(またはエキストラの聴衆を入れての演奏)を、舞台後方、舞台右手、舞台左手、オーケストラの中からカラヤンを見上げるリモコンカメラの計4つのカメラで通して収録する。この時、ドイツ・グラモフォンのチームによって音声の収録も行われる。 先に決めたカット割りに基づいて、管楽器、ソロ奏者、弦楽器のプルトごとに、(2)で収録した音声に合わせて、アップ映像のプレイバック収録を行う。 収録された映像素材がカラヤン自らの監修によって編集される。 映像素材がロカルノにあるポリビデオという会社に送られて正式に編集され、作品として完成する。 2で収録された音声は、ゲネプロ等の音声とともに編集されドイツ・グラモフォンのカラヤン新譜としてCD発売された。 テレモンディアル独自制作の映像作品に見られる、微動だにせずに楽器を吹く管楽器グループや人形のように整然と並んだ合唱団の後撮りされた映像は、ライヴ収録作品の臨場感と異なり著しく違和感があるため、発表当初から批判が多かった。その一方で、映像を丹念に追っていけば楽曲の構成が自然に理解できるとして評価する声もある。カラヤン自身は、晩年の映像作品について「ただ演奏会をルポルタージュしたものなどごめんです」「私は映像を通して音楽の持つダイナミックな力を伝えたいのです」と語っている。
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