昆虫の出現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 04:48 UTC 版)
前代のシルル紀には、既にダニ(鋏角類)や、ムカデなどが属する多足類が陸上に出現しており、節足動物の陸棲化は脊椎動物よりも進んでいた。さらに約4億年前のデボン紀前期には、昆虫類が誕生した。 この昆虫類を含む六脚類の起源は、先行して上陸していた多足類である、と以前は考えられていた。しかし、遺伝子解析から昆虫類は、カニやエビが属する甲殻類や、ミジンコやフジツボが属する鰓脚類が、六脚類により近いと判明している。この結果から、昆虫類は現生の淡水のミジンコとの共通の祖先種から、後期シルル紀の淡水域において生息していたと考えられる。その祖先種から、前述の河川と陸上の境界域で進化を重ね、陸棲化したのが昆虫だと考えられる。実際、出現当初の昆虫類の化石は、淡水域と陸上であった場所でしか発見されておらず、また現生の昆虫のほとんどが陸棲である。 デボン紀の昆虫は、現在発見されている化石からは翅の獲得はみられず、原始的な形態であった。現在の昆虫類は、動物種の大半を占めるほど多種であるが、その多様な進化は石炭紀以降で顕著になったと思われる。
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