昆虫の分節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 02:31 UTC 版)
キイロショウジョウバエの胚の初期の分節を決定するエンハンサーは、発生に関するエンハンサーの中で最もよく特徴づけられている。ハエの初期胚ではギャップ遺伝子(英語版)転写因子が、ペアルール遺伝子(英語版)など多数の分節遺伝子の活性化や抑制を担う。ギャップ遺伝子は、母性効果(英語版)を担う他の転写因子とともに、ハエの前後軸に沿ってブロック状に発現し、その結果、転写因子がさまざまな組み合わせで発現しているさまざまな領域が形成される。ペアルール遺伝子を発現する細胞は非発現細胞によって互いに隔てられ、ストライプ状に位置する。異なるペアルール遺伝子が形成する発現ストライプはそれぞれずれているため、ペアルール遺伝子の発現のユニークな組み合わせによって前後軸に沿った空間的ドメインが形成され、14個のセグメントが設定される。ペアルール遺伝子even-skipped(eve)のストライプ2での鋭い発現を駆動する480 bpのエンハンサーはよく特徴づけられている。このエンハンサーには、母性効果転写因子やギャップ遺伝子転写因子が結合する12個の異なる結合部位が同定されている。活性部位や抑制部位は配列上で重複している。eveは、このエンハンサー配列のアクチベーターが高濃度で存在しリプレッサーが低濃度で存在する、狭いストライプ状の領域でのみ発現する。胚の他の6つのストライプでのeveの発現は、他のエンハンサー領域によって駆動される。
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