ペイリオコン
(旧保守主義 から転送)
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シリーズからの派生 |
アメリカ合衆国の 保守主義 |
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ペイリオコン、パレオコン(英語: Paleoconservatism)とは、米国の伝統主義を提唱する政治イデオロギーのひとつで、伝統的保守主義、もしくは旧保守主義と訳される。
造語
語源

ユダヤ系アメリカ人で保守派の哲学者のポール・ゴットフリードによる造語で、ギリシャ語の「古代の」「古い」を意味する語根παλαιός ( palaiós )に由来する[1]。これにはネオコンに対して歴史的で真正な保守主義の伝統を代表すると主張する意味合いもあり、しばしば単に「パレオ」「ペイリオ」と自称している。
イデオロギー
ペイリオコンは、「地方分権主義・移民制限・保護貿易主義・経済ナショナリズム・孤立主義・社会保守」を支持している。自由貿易に反対し孤立主義を推進する点ではネオコンと見解を異にし、自由と民主主義のためなら積極的に介入する態度を新たな帝国主義と看做し、自らを共和主義の擁護者と自認する。加えてジェンダー関連では保守的な態度を取り、中絶や同性婚・LGBTQの権利に反対する傾向がある。
人間性、伝統、そして理性
ペイリオコンは、伝統は理性の一形態であり対立する力ではないと信じている。メル・ブラッドフォードによれば、望ましい行動方針について真剣な議論を始める前に幾つかの論点が解決されていると述べ、「友情、共通の敵、そして共通の計画によって結ばれた家族の文化」に基づく規範意識を以て良き保守主義者は「南部の祖母たちが子供たちに『そんなことはしない』と常に戒めてきたことの意味を明確に理解している」と言う。
パット・ブキャナンは、良い政治家なら「旧約聖書と新約聖書、そして自然法に根ざした道徳秩序を守らなければならない」と主張し、「我々の社会の最も深刻な問題は経済的でも政治的でもなく、道徳的なものである」と主張している。
南部の伝統主義
歴史家ポール・V・マーフィーによると、1980年代半ば以降ペイリオコンは地方分権と州の主権・自己決定権に重点を置くようになった。人種差別撤廃、福祉、LGBTQの権利への寛容、政教分離などの政策は連邦法とシンクタンクによって押し付けられたものであり、地域社会に損害を与えていると非難している。こうした主張は1990年代以降のとりわけ南部を中心としたによる保守主義の高揚に影響を及ぼしている。
イスラエルへの反対
ペイリオコンは概してイスラエルを批判し、イスラエル・パレスチナ紛争においてパレスチナ側の立場を支持している。イスラエルへの支援はイスラム世界との外交関係およびアメリカの海外における利益を損なうと言うのがペイリオコンの主張である。ブキャナンは「キャピトル・ヒルはイスラエルの占領地だ」と主張し、ラッセル・カークも「一部の著名なネオコンがテルアビブをアメリカの首都と勘違いしているように見えることは珍しくない」と指摘した。イスラエル・ガザ戦争中、ドナルド・トランプとも親しい右派のコメンテーターのタッカー・カールソンはイスラエルは戦争犯罪を犯しており、(当時大統領だった)ジョー・バイデンによるイスラエル支援はアメリカがその行為に加担するリスクを冒していると主張した。
脚注
- ^ “Meet the Jewish 'Paleoconservative' Who Coined The Term 'Alternative Right'”. The Forward (2016年8月29日). 2025年1月10日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ペイリオコンのページへのリンク