日蓮宗・法華宗における四菩薩
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「四菩薩」の記事における「日蓮宗・法華宗における四菩薩」の解説
日蓮宗・法華宗では、『法華経』に登場する上行(じょうぎょう)、無辺行(むへんぎょう)、浄行(じょうぎょう)、安立行(あんりゅうぎょう)を四菩薩(あるいは四士)と称する。 『法華経』の第15章にあたる従地涌出品(じゅうじゆじゅっぽん)第十五の記述によれば、釈迦如来が説法をしていた際に大地が割れ、そこから涌き出た無数の菩薩(これを総称して地涌の菩薩と称す)の筆頭が上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩であり、これらの菩薩は釈迦亡き後の末法の世において仏法を護持するものとされている。日蓮は、世が乱れ災害が起きるのは邪教を奉ずるからだと主張し、鎌倉の街頭で法華経の教えを説いたが、自己をこうした上行菩薩になぞらえていた。 なお、この法華経に登場する四菩薩は「金色の身で、三十二相を具えている」などと記されていることから、悟りを開く為の修行中の菩薩ではないとも解釈される。この場合、自らの解脱の為に菩薩行を行なう菩薩ではなく、悟達し既に仏界へ昇った如来が末法救済のために九界へ降り立った大菩薩であるとされる。またこの四菩薩は涅槃経に説かれる常楽我浄に配当される。 日蓮宗において本尊とされるものに大曼荼羅(「南無妙法蓮華経」の題目の周囲に諸尊の名を文字で記したもの)、一尊四士(釈迦如来と脇侍の四菩薩)、一塔両尊四士(宝塔を中心に釈迦如来・多宝如来・四菩薩を表す)などがあるが、これらのいずれにも上記四菩薩が表現されている。ちなみに大曼荼羅・一尊四士・一塔両尊四士のいずれを日蓮宗の本尊と見なすかについては古来議論がある。詳細は各項目を参照。
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