日本語 TeX における利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/30 03:45 UTC 版)
「DVI (ファイルフォーマット)」の記事における「日本語 TeX における利用」の解説
日本語化された TeX システムにおいても、DVI ファイルフォーマットは基本的にそのまま利用されている。もともと、DVI が設計された当時の TeX は7ビットコードしか扱うことができず、全ての文字が set_char_i で扱えるはずであったが、それにも関わらず DVI には予め1バイトから4バイトまでの幅の文字番号を取ることのできる set1〜4 (128〜131) が用意されていた。アスキーによって日本語化された「日本語 TeX」では、この機能をそのまま使う形で、日本語の ISO-2022-JP の文字コードをそのまま set2 命令で DVI ファイル中に出力する形を取っていて、ファイルフォーマットは拡張されていない。なお、DVI ファイル中の日本語文字の文字コードは、システム文字コードが EUC-JP や Shift_JIS の場合にも、ISO-2022-JP(いわゆる JIS コード)になっている。また、文字幅情報を記録する TFM ファイルについては、日本語のほとんどの文字が同じ幅であることを勘案して改変された一部互換性の無いフォーマットを用いている。 また、縦書き対応に拡張された pTeX では、未使用であった命令コードの一つに tate 命令 (255) を追加し、縦書きと横書きの切り替えを行うように拡張されている。そのため、ドライバに下位互換性のない拡張の有無が判断付くよう、縦書き機能を用いた際にはポストアンブルに含まれるファイルフォーマット番号が変更されるようになっている。 一方、NTT によって拡張された NTT JTeX では、日本語の文字集合を複数のフォントに仮想的に分割して、出力時にフォント切り替えを行う命令を挟みながら出力するように実装されていた。そのため、分割したフォントが準備されている環境では、DVI ドライバは日本語拡張のない(1バイト幅の文字番号しか扱えない)ものをそのまま用いることができた。
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