日本型雇用システム(終身雇用・労使間のコミュニティ的性格)を維持する為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:38 UTC 版)
「長時間労働」の記事における「日本型雇用システム(終身雇用・労使間のコミュニティ的性格)を維持する為」の解説
高度経済成長期に製造業を中心として形成された日本型雇用システムの特徴として、終身雇用がある。その為、企業で働く労働者が、不況時でも解雇を回避しようと抑制する働きがあった。しかし好況の場合は、人員を増やさずに、残業で対応した、つまり、労働者の雇用保障する代わりに、残業を前提とした業務体制や要員配置を維持したのである。そのため、2006年まで経済の状況によって、長時間労働者の割合が増減する流れがみられることも指摘されている。 また、日本の企業は労使が「雇い、雇われる」だけの関係(経済的関係)にとどまらず、共同性に基づく互助の関係(労使間のコミュニティ的性格)にある。それ故に、私生活より会社や仕事を優先するような考えが生じていった。更に、そのコミュニティ的性格により、不払い残業(サービス残業)や上司が帰るまで残業する「付き合い残業」が生じる要因の1つとなっている。 更に、日本の企業は、様々な仕事の状況に対応できるゼネラリスト的な能力が重視されつ傾向にある。その為、労働者間の仕事範囲が明確に区分されていない。このことも、集団志向的な価値観とあいまって、仕事を切り上げにくくしている。そして、人事評価においては、業績だけでなく意欲など「働きぶり」が評価されることが少なくない。 しかし、この雇用型システムは、男性正社員を主力として長時間労働で対応する働き方は、女性の社会進出拡大とともに、時代と相容れないところが表面化している。
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