日本のAC電源極性とEMI
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 01:02 UTC 版)
「電磁両立性」の記事における「日本のAC電源極性とEMI」の解説
極性に関連する技術基準は複数あるが、例えばPWM制御であるスイッチング電源ではIEC60950-1が適用される。J60950 3.4.6 単相機器には「単相機器の場合には、遮断装置は両極を同時に遮断するようになっていなければならない。但し、交流主電源の中性線が明確に識別できる場合には、片切遮断装置により活線導体の遮断を行うことができる」と規定されている。日本のAC100Vプラグは無極性プラグである為、極性を識別できたとしても接続する者が意識しないと、コンセントの極性にプラグの極性を合わせることはできない。極性が合わないと(ニュートラルの接地が維持されないと)リーク電流、すなわちEMIが増大してしまう。さらに三相電源に単相200V負荷を接続する場合、中性線はS相になるが、片切スイッチが使用される単相機器はR-SとT-Sにしか接続できない。しかも極性を合わせる必要があり、逆極性になったりR-T接続になるとやはりリーク電流、EMIが増大する。200Vの単相機器で単相3線式の電源ではトラブルが発生しないのに、三相電源につないでトラブルが発生する際は、このように極性が正しくないことが多い。特に非線形制御の大電力機器(オイルヒーターなど)では注意が必要である。米国では極性プラグが使用されるが、それでも延長コードの配線ミスにより逆極性になってEMCトラブルが発生している。パソコンやLED照明、TVなど一般家庭においても非線形負荷は急激に増えており、技術基準に準拠する為にも、早期のAC100Vプラグ3ピン化、あるいは接地側マーキングの明瞭化、もしくは米国のような極性プラグ化などが求められる。
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