日本における定説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 13:54 UTC 版)
宮沢は、1938年の著書において、この条文中の constitution という語は、立憲主義の憲法概念を意味している、と述べた。その後、1956年の著書においては、この条文は、「成文憲法は、かならず権利宣言を伴うという慣行」を示すものである、と述べた。 20世紀終盤以降の日本の憲法学における定説(芦部)では、この条文は、立憲主義の憲法の趣旨(権力を制限して人権を保障すること)を示したもの、とされている。そして、これを提示した上で、「憲法学の対象とする憲法とは、近代に至って一定の政治的理念に基づいて制定された憲法であり、国家権力を制限して国民の権利・自由を守ることを目的とする憲法である」と憲法学の範疇を宣言している。そして国家緊急権について、超憲法的な行使は法の問題ではなく事実ないし政治の問題であり、一方で憲法に規定することは多くの問題と危険をはらむ、としている。また樋口によれば、この1789年の条文は「憲法」(constitution)という語の用法として、権利保障と権力分立の原理によるものだけを「憲法」に「値する」としたものであり、それがすなわち立憲的意味の憲法である、とされる。
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