新太田切発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 22:29 UTC 版)
「太田切川 (長野県)」の記事における「新太田切発電所」の解説
中部電力は太田切発電所を改修し、新太田切発電所とする工事を1958年(昭和33年)1月に着手した。完成して30年間経過したことにより老朽化した電力設備を一新するもので、同年12月22日に完成した。有効落差315メートル、最大使用水量5.5立方メートル毎秒に増大させ、最大出力を1万4,000キロワットにまで強化する。 発電に使用する水は本谷・中御所川・黒川から取り入れ、全長5キロメートルの馬蹄形トンネル導水路で送水。発電所直上に設けた高さ4メートル・幅5メートル・全長40メートルの水槽から、長さ757メートル、直径1.2ないし1.4メートルの水圧鉄管で落水させ、発電所建物内の水車発電機を回転させる。発電用水車は立軸4射ペルトン水車を採用。発生した電力は屋外の変電所より送電する。発電に使用した水は高さ1.7メートル、幅2.6メートルの放水路(箱形の暗渠)を通じて太田切川と黒川とに分けて放流される。なお、発電所直上の水槽からあふれた水は余水路を通じて黒川へ放流するようになっており、この余水路については旧太田切発電所の水圧鉄管が流用して造られている。 新太田切発電所の建設に伴い、駒ヶ根市では灌漑用水の水温低下を懸念して、温水ため池の建設などの対策工事を実施した。また、中部電力が工事中に宿舎として用いられていた建物を駒ヶ根市が330万円で買収し、旅館「高原荘」に改装して駒ヶ根高原の本格的な観光開発の足がかりとした。
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