数学の導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 19:18 UTC 版)
オーギュスト・ワルラスのエコール・ノルマル・シュペリウールでの学生時代の友人アントワーヌ・オーギュスタン・クールノーは、経済学への数学の導入について、レオン・ワルラスに大きな影響を与えた。また、A・N・イスナールからの影響も指摘されている。レオン・ワルラスの数学的手法やフランス的合理主義は、クールノーから学んだものである。クールノーは、生産量は需要、価格、費用に関係するという関数を考案したほか、独占的競争から出発して、市場参加者の数を増やしていき、一般的競争市場の理論に行き着こうとした。これに対して、ワルラスは、絶対的自由競争という理念型の下での一般的市場競争から出発し、特殊なケースに進むべきであると主著では主張している。 小室直樹によれば、その後の数理経済学に絶大な影響を与えたワルラスだが、本人はそれほど数学が得意でなかったとしている。実際、ワルラスが経済学に導入した数学は、計算のためというよりは記述言語として使われており、連立方程式の数と未知数の数が一致することを示すことで、たいていの場合は解が存在する、ということに留まる。逆に、この壮大なモデルの穴を埋めていくことが、その後の経済学者の関心を引いたと言える。
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