数値微分方程式での安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 10:05 UTC 版)
「数値的安定性」の記事における「数値微分方程式での安定性」の解説
上述の定義は、入力数値の離散化誤差を無視しても構わない状況に適したものである。微分方程式を数値的に解く場合はそうはいかず、数値的安定性の定義も異なる。 常微分方程式を数値的に解く場合、様々な数値的安定性の概念があるが、その1つがA-安定性である。それらはリアプノフ安定のような力学系の安定性の概念と関連している。硬い方程式を解く場合、特に安定な手法を使うことが重要となる。 偏微分方程式を数値的に解く場合は、安定性の定義はまた異なる。偏微分方程式を解くアルゴリズムは、ある時点の数値解がステップサイズをゼロに漸近させたときに大きく変化しないことを安定だという事もある。ラックスの等価定理によれば、アルゴリズムが一貫していて(ここでの意味で)安定していれば、そのアルゴリズムは収束する。安定性は数値拡散 (numerical diffusion) などで達成されることもある。数値的拡散とは、計算時の丸め誤差などが蓄積されない性質を言う。また単純に解の任意のステップに対して、有界ならば、安定ともいう。
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