散逸から再発見まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 16:07 UTC 版)
明初に編纂された『永楽大典』には『至正条格』が所収されているが、この頃既に原本は失われ残本しか残っておらず、原本が何巻本だったかも不明である。『永楽大典』の記載によると、残本は23巻で、祭祀・戸令・学令・選挙・倉庫・捕亡・賦役・獄官など27項目に分かれているという。 清朝乾隆年間に編纂された『四庫全書』には『永楽大典』に引用されていた『至正条格』の文章を纏めた書物が所収される予定であった。『四庫総目提要』の記載によると、『永楽大典』収録の23巻残本『至正条格』の内容は以下のようなものであったという。 「凡分目二十七、曰『祭祀』、曰『戸令』、曰『学令』、曰『選挙』、曰『宮衛』、曰『軍防』、曰『儀制』、曰『衣服』、曰『公式』、曰『禄令』、曰『倉庫』、曰『厩牧』、曰『田令』、曰『賦役』、曰『関市』、曰『捕亡』、曰『賞令』、曰『医薬』、曰『假寧』、曰『獄官』、曰『雑令』、曰『僧道』、曰『営繕』、曰『河防』、曰『服製』、曰『跕赤』、曰『榷貨』」。 しかし結局の所『四庫全書』にはこの解題のみが残されて本文は所収されることがなく、この書物もまた清代に散逸してしまった。 近現代において多くの研究者が『至正条格』は散逸してしまったと考える中で、2002年に韓国東南部の慶州において元代刊行の残本『至正条格』二冊が発見された。数百年にわたる経年劣化によって損傷が大きかったものの、数年の修復・整理作業を経て2007年8月に韓国学中央研究院より影印本・校注本の二冊が出版された。
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