教育理念に関する課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 06:48 UTC 版)
「算数・数学教育」の記事における「教育理念に関する課題」の解説
数学教育は学校教育の中で一定の比重を占めているが、内容の高度化・抽象化に伴ってその必要性を疑問視する声も少なくない。日本の児童・生徒の場合、近年行われたPISAやTIMSSといった国際的な学力調査において、学力面で高い位置にいながら、数学への学習意欲が低いという結果が明らかとなった。 この傾向は成人以降の世代にも見られ、専門外(特に人文科学系)の知識人の主張としても比較的多く見られる。中には(前者の主張と意味合いは異なるが)数学者自身がそのように述べることがある。こうした現状は数学教育の存在意義に関わることだが、現代の日本の教育議論においては、「学力の向上」という文脈以外で数学教育の必要性が語られることは少なくなっている。 なお、数学の有用性を説く知識人でも、その見解は形式陶冶(思考力や文化的価値)に求めるか、学習内容の他分野への応用に求めるかで大きく分かれる。こうした見解の相違はアイザック・ニュートンが数学を「科学の女王」ないし「技術の奴隷」と述べた頃に既に見られ、数学の発展においては純粋数学と応用数学に二分される形で具現化していると言える。
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