政府系OTD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:10 UTC 版)
エージェンシーと政府支援機関が行うOTDは1970年代に始まり、1980年代から本格化した。仕組みを順に追ってみる。前節のごとく、モーゲージ貸出をすると銀行の帳簿にモーゲージ債権と預金債務が生まれる。銀行の預金債務は、借り手の預金通貨であるが、すぐに物件の代金として支払われて売り手の預金通貨となる。売り手は預金通貨をMMF等で運用する。ここから4通りに分かれる。①連邦住宅貸付銀行がオリジネーターの銀行からモーゲージ債権を購入する(三つの変換)。②GSEsが購入し、エージェンシーMBSを発行する。③投資銀行がレポや資産担保コマーシャルペーパー(以下ABCP)で資金調達し、MBSを在庫保有する。④GSEsガモーゲージ債権とMBSの在庫を資産側に保有し、エージェンシー債・割引手形を発行する(三変換)。①から④いずれの場合も、銀行はモーゲージを売却しバランスシートを相殺・消滅させる。こうして銀行は準備金と自己資本を積むことなく信用創造ができる。1980年代後半以降、①から④の手法が広まった。これらを可能とするためにMMF等の機関投資家は、エージェンシー債・手形割引、エージェンシーMBS、ABCPへ投資したり、レポ融資を行ったりしている(三変換)。
※この「政府系OTD」の解説は、「証券化」の解説の一部です。
「政府系OTD」を含む「証券化」の記事については、「証券化」の概要を参照ください。
- 政府系OTDのページへのリンク