擬似関係代名詞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 16:39 UTC 版)
次のような用法も関係代名詞とみなされることがあるが、比較構文の as や than の場合、そのあとで関係代名詞 what(あるいは比較の尺度となる語句)が省略・削除されているという考え方をとれば、これらも接続詞とみなすことができる(実際、非標準的な英語では比較構文の as や than のあとに what が出現することがある)。また、日本の英和辞書には as や than を引くと関係代名詞の項目があるが、ほとんどの英米の辞書にはそういう項目はない。 as 限定(制限)用法では、such + 名詞、the same + 名詞を先行詞にとり、相関的に用いられる。非限定(非制限、継続)用法では、文全体を修飾する。This is the same book as he has.(これは、彼が持っていた本と同じ物だ。)(cf.) This is the same book that he has.日本では、前者が「同種類の本」を意味するのに対し、後者は彼が所持している「まさにその本」を意味すると言われてきたが,反例が多い。最近の辞書や文法書にはこのような説明は見られない。 As is often the case with him, he forgot his textbook today.(彼にはよくあることだが、今日も教科書を忘れた。)上の文は、 He forgot his textbook today, as is often the case with him. という形から考えると理解しやすい。この as の「先行詞」は前の文の内容(厳密には forget his textbook という行為)である(この語順では as の代わりに which を使って同じような意味を表すこともできる)。as is often the case with him を文頭に置いたのが上の文だと言える。 but 先行詞に否定語(noなど)を伴い、節の中も否定の意味を含む(that [who] ... not)。古風な表現。There is no rule but has some exceptions. (例外のない規則はない。) than 先行詞に比較級を伴う。The galaxy is made of more stars than anybody can count. (銀河系は数え切れないほど多くの星からなっている。) 上の文では count の目的語が欠けているので than は目的格の関係代名詞だと言われるわけだが、それなら Meg is taller than I am. でも、am の補語が欠けているのだから、この than も接続詞ではなく、補語格の関係代名詞とされねば一貫性に欠ける。一方、上の文では count のあとの stars(あるいはそれを関係詞化した what)が削除されており、Meg ...では am のあとの tall(あるいはそれを関係詞化した what)が削除されていると考えれば、than を関係代名詞とみなす必要はなくなる。
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