撒布型地雷とスマート地雷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 07:42 UTC 版)
ベトナム戦争ではゲリラ戦が主だったこともあり、戦況が流動的で、地雷設置に時間を割くことが難しかった。そのため、航空機などから撒布する撒布型地雷が開発された。しかし、個々の撒布型地雷の設置場所は撒布部隊自身にもわからず、また、ゲリラ戦ゆえ戦場も流動的であるため、友軍が撒布した地雷が行軍上の障害になるという事態が発生した。 この問題を解決するために開発されたのが「スマート地雷」である。最初のスマート地雷は、アメリカが1978年に開発したFASCAM(Field Artillery Scatterable Mines、ファスカム)で、撒布後一定時間が経過すると自爆する。タイマーによる自爆・無力化以外に、暗号化された無線送信に対して応答して所在を知らせ除去を容易にするものなど、さまざまな技術が開発されている。しかし、自爆に失敗する確率が0.1-5%あるなど、完全ではない。 スマート地雷は、あくまで軍事上の必要性から生まれた兵器であるが、結果として、地雷の非人道性を減ずることとなった。つまり、今叫ばれている地雷の人道的な面での問題のほぼ全ては(コストは掛かるが)、技術で解決が可能なものである。しかし、昨今問題とされているのはこうした機能を持たない旧式の地雷および地雷を敷設する際のセオリーを守ることのない非正規交戦組織によるものであり、発展途上国では現在でも依然として安価且つ大量に製造販売が行われている。
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