接点・圧力・速度・音量・音色の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 03:56 UTC 版)
「ボウイング」の記事における「接点・圧力・速度・音量・音色の関係」の解説
弓と弦の接点は指板と駒の中央が基本だが、高音弦側に行くほど・音やポジションが高くなるほど駒に近い方が良く響き、逆に低音弦側に行くほど指板に近い方が良く響く。ヴァイオリンのG線は指板の端から1.5cmほどの場所、E線は駒から1.5cmほどの場所が基本になる。 圧力は小さすぎれば音が出なかったり弦の表面を弓が滑るだけになったりし、大きすぎれば弦の振動を妨げ音が潰れる。音程も圧力によって変化し、大きすぎる圧力は音程を下げる。 速度はあるところまでは速い方が音量が増すが、弦を振動させる適正な範囲より速くなると弓が滑ってかえって音量が出なくなる。 接点の場所により、適切な圧力と速度のバランスが変化する。指板と駒の中央を弾いている場合を標準とすると、指板寄りは弱い圧力と速い弓が適し、コマ寄りは強い圧力と遅い弓が適する。 音量とは、弦楽器の場合は弦の振幅のこと。圧力や速度を単純に増すとガーッと鳴っているように感じるが、雑音の成分が目立っているだけであり、近くではうるさく、遠くでは聞こえない。弦の振動がコマを通じて表板や裏板を振動させて発生するのが弦楽器の音であるため、振幅=音量である。 音量は、接点と圧力と速度の関係で決まる。接点ごとに最大の振幅を出せる圧力と速度のバランスが存在し、そこから圧力か速度を減じると音量が下がる。コマ寄りで圧力を減じすぎると音が裏返り、指板寄りで速度を減じすぎると引っかかってまともな音がしない。 音色は、主に接点と圧力で決まる。コマに寄るか圧力を高めると倍音の多いキラキラした音色になり、指板に寄るか圧力を弱めると倍音の少ない素朴な音色になる。当然、まともに音の出るバランスの範囲内で弾くことが前提である。 「常に弦に対して垂直になるように往復させる」のは接点が一定になるためであり、音量や音色を連続的に変化させたい場合はあえて斜めに運弓して接点を移動させる場合もある。
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