抗議内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 14:49 UTC 版)
「血だるま剣法/おのれらに告ぐ」の記事における「抗議内容」の解説
部落解放同盟大阪府連は次の3点が問題箇所であるとして抗議を行った。 作品に記述されている部落の起源が科学的歴史観に反した偏見で書かれている。 部落民を残酷な人々と描くことで部落解放運動をゆがめている。 最後に主人公を死なせ、それを笑うことで部落の人が死に絶えればいいと思わせている。 1.の項に関しては、現在発行されている『血だるま剣法』には部落に関する記述に伏字処理がされている(後述)ため、本作における部落への認識が誤りかどうかを確認することは不可能だが、少なくとも本作を読む限り2.と3.の項に関しては的を射た批判とは決して呼べない(事実、平田は後年、本作について「差別のない社会にしなければならないという思いで描いた」と語っている)。しかし、本作が刊行された1962年ではまだ漫画そのものに市民権が認められておらず、また部落差別問題が現在よりも深刻であったこと、さらに差別摘発運動が熱を帯びていた時代であったこともあり、日の丸文庫側は涙を飲んで絶版処分するしかなかった。その上この事件に関するまともな議論は行われず、時代背景によって作品に対しての正当な評論がされないまま、『血だるま剣法』は40年以上にわたり封印されてしまうこととなった。
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