技術移転問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 16:10 UTC 版)
「KAI KUH-1 スリオン」の記事における「技術移転問題」の解説
2014年12月13日、動力伝達装置を構成する部品約450点のうち、エアバスヘリコプター側との間で国産化すると契約した部品はそのうち30%の134点で、さらにそのうち技術移転を受けて量産可能なレベルで開発されたものは約80点に過ぎないこと、およびスリオンの開発完了後、実際にスリオンに搭載された動力伝達装置がすべてエアバスヘリコプターの製品であることが確認された。監査院は1兆3,000億ウォン(約1,400億円)が投入された国産化作業が事実上失敗したと見て、調査に着手した。監査院は責任の所在によっては、技術移転未履行違約金1,000万ユーロなどを含む制裁を検討している。 これに関し動力伝達装置を担当したS&T重工業は「もし監査院がKAIに違約金を科す場合、エアバスヘリコプターを通じて結局は我々が違約金を支払わなければいけない構造であり、納得しがたい」としたうえで、「動力伝達装置の開発に100億ウォンを投資したが、一つの部品も納品できなかった」とし「技術移転契約を履行しなかったエアバスヘリコプターの責任」、「初期契約段階からスリオンの国産化は不可能だった」と主張した。これに対しエアバスヘリコプターは「技術移転を含め、契約を誠実に履行した」と反論した。また、複雑な契約構造(エアバスヘリコプターがS&T重工業に技術移転し、S&T重工業が開発した動力伝達装置部品をエアバスヘリコプターに納品し、エアバスヘリコプターがKAIに納品する)が問題を起こしたとの指摘もあり、監査院は複雑な納品構造が生じた原因に対する調査もしている。これについてS&T重工業は「正常な契約なら我々がKAIに直接納品するべき」と話した。国産化失敗による直接的な国富損失は5,000億ウォン(約540億円)にのぼるとされる。なお、このS&T重工業はK-2戦車の変速機の開発に失敗したという過去がある。
※この「技術移転問題」の解説は、「KAI KUH-1 スリオン」の解説の一部です。
「技術移転問題」を含む「KAI KUH-1 スリオン」の記事については、「KAI KUH-1 スリオン」の概要を参照ください。
- 技術移転問題のページへのリンク