打診_(詰将棋)とは? わかりやすく解説

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打診 (詰将棋)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/13 12:48 UTC 版)

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打診(だしん)とは、詰将棋における手筋の一つ。自陣に存在する成っていない敵駒に働きかけて、成か不成かの選択を強要する手筋をいう。

概説

自陣に存在する成っていない敵方駒は、状況に応じて成と不成を選択できる状態にある。この時に、何らかの方法により敵方駒を自陣から追い出せば、敵方駒はその段階で成か不成かの決定を余儀なくされ、選択権を奪うことができる。

特に打ち歩詰めに関連する局面では、好適な時機まで成を保留することが有効な場合があるため、敵方から成か不成かの選択権を奪う着手に合理性がある場合がある。ここで「働きかけ」を行う着手を打診と呼ぶ。

打診は、将棋の対局でも理論上は生じ得るが、現実に起こることはほとんどない。

原理と例題

攻方駒に対する打診

▲持ち駒 歩
図1
▲持ち駒 歩
図2
▲持ち駒 歩2
図3

図1で▲3三銀不成とすると、△1六玉は▲1七歩、△2五玉、▲3五角で詰む。少し捻って△3五歩合としても、▲同角不成、△1六玉、▲1七歩、△2五玉、▲2四銀成までで詰む。これらの手順は、初めから5三角が馬だった場合は詰まず、かつ3五で成る必要もあることから、攻め方は成と不成を場合に応じて使い分けていることになる。

そこで、2手目に△4四歩(図2)とするのが打診であり、これに対して▲同角成ならば△3五歩(図3)、▲同馬、△1六玉として打ち歩詰めの局面となる。また、▲4四同角不成ならば△1六玉として前述の手順では詰まなくなる。

(図1は▲3三銀不成、△4四歩、▲同角不成、△1六玉、▲1七歩、△2五玉、▲2四銀成、△同玉、▲3三角成、△2五玉、▲2六歩、△同玉、▲4四馬、△2五玉、▲3五馬まで15手詰)

攻方駒に対する打診は、玉方の中合いによる場合が多いため、これを特に打診中合と呼ぶ。

玉方駒に対する打診

▲持ち駒 角桂歩
図4
▲持ち駒 桂
図5
▲持ち駒 なし
図6

図4で、▲3五角、△同飛成、▲2五歩、△同龍(図5)で打ち歩詰めが解消しても、龍が強力で詰まない。

そこで、初手で▲3六桂とするのが打診で、2手目に△同飛成ならば▲2五歩、△同龍、▲4二角で詰む。このため、2手目は打ち歩詰めを主張して△同飛不成とするが、以下▲3五角、△同飛、▲2五歩、△同飛(図6)、▲3四龍まで7手詰となる。



「打診 (詰将棋)」の例文・使い方・用例・文例

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