手話法の再評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 18:45 UTC 版)
栃木校のトータルコミュニケーションは1978年、全国組織としての「トータルコミュニケーション研究会」、いわゆるTC研の発足へと繋がった。このTC研は1980年代半ばから、トータルコミュニケーションの研究を越えたろう教育の研究の場となり、1989年に「ろう教育の明日を考える連絡協議会」を開催して手話法の必要性を大々的に議論することとなった。これをきっかけとしてトータルコミュニケーション研究会は発展的に解消され、「ろう・難聴教育研究会」となった。 1993年には「聴覚障害児のコミュニケーション手段に関する調査研究協力者会議」が文部省の諮問機関として設置されたが、この報告書はろう学校における手話の使用を促すものであり、この報告書を契機として、日本の公立ろう学校における手話使用に対する暗黙裏の制限は、事実上撤回されたと考えられている。また2005年には参議院文教委員会における質疑応答において文部科学省初等中等教育局長が、日本手話を用いてろう教育を行うということについては法的に何の制約も存在していないとの答弁を行っている。 なお、矢沢国光は前述の聴覚口話法の発展が手話の再評価への障害を取り払ったことを指摘している。すなわち、聴覚口話法の登場以前には手話は音声・書記言語獲得の妨げになるとして厳しく制限されていたが、聴覚口話法によって音声・書記言語獲得への障壁が格段に低くなった結果、手話を容認する保護者が増えたとの主張である。
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