手技と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 09:16 UTC 版)
母指球を鍵の先端などの棒状のもので近位から遠位 (手首から親指方向) に向けてこすると、同側のオトガイ筋 (おとがいから口角に向かって走行する筋) が収縮するのが、手掌おとがい反射である。検査の手技および判定基準には統一性がなく、様々な方法が提案されている (表1参照)。また出現の仕方 (同側性、体側性、両側性) と病変の局在は一致しない。 表1 手掌おとがい反射の誘発方法と判定報告者方法反射陽性の定義Little and Masatti綿棒で母指球をしっかりとこする 2回以上オトガイ筋が収縮 Jacobs and Gossman母指球を鍵で勢いよくひとこすり 同側のオトガイ筋が収縮 Marti-Vilalta and Graus別の時間に2人の験者が母指球を示指の爪でこする オトガイ筋の強い/弱い収縮 Otomo母指球を鍵でこする オトガイ筋が5回連続で収縮する 正常な人でも出現することはあるが、オトガイ筋の収縮は弱く短時間で、繰り返し刺激で減衰する。一方病的な場合は筋収縮が強く、長時間続き、また繰り返し刺激でも誘発され続ける。さらに、病的な場合は、母指球以外の場所、例えば小指球、前腕、胸部、腹壁あるいは尿道カテーテルの刺激でもこの反射が誘発される。小児の場合、早産児ではどのような状態 (覚醒、睡眠時、昏睡状態など) でもほぼ必発である。満期産の場合でも、生後数日ならほとんどの場合で誘発され、1歳から2歳にかけては60%程度、以後徐々に減って9歳から14歳までに消失するとの報告がされている。
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