成分と性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 15:12 UTC 版)
主成分はケイ酸や酸化アルミニウムなどからなる火山ガラスであり、斜長石や石英なども含まれる。50-58パーセントの空隙を含み、有機物はほとんど含まれていない。比重は1.3程度と軽く、粒子内部にも多数の微小な気泡が含まれており粒子比重も2.30-2.50と軽い。引っ張り強度は小さく、複雑な粒子形状を呈しているためインターロッキング効果による特殊な剪断特性を示す。白色を呈するものが多いが、灰白色、黄褐色、灰黒色、淡紫色、淡紅色のものも見られる。 自然の状態では20-25パーセントの水分を含み、水分量が増えると著しく強度が低下する。比重が低いことと分散性が高いことから水に流されやすく、樹木などが剥がされて地層が露出すると急速に侵食される傾向があり、急傾斜の深い谷を形成するガリ侵食を受けやすい。地下水流に侵食されて地下空洞を形成することがあり、これが崩落するとシラスドリーネと呼ばれる穴や窪地が形成される。 シラスからなる急傾斜地は大雨などによってしばしば崩壊し土石流を引き起こしていたが、1952年(昭和27年)に特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の対象となり、斜面の崩壊防止対策が進められるようになった。
※この「成分と性質」の解説は、「シラス (地質)」の解説の一部です。
「成分と性質」を含む「シラス (地質)」の記事については、「シラス (地質)」の概要を参照ください。
- 成分と性質のページへのリンク