惑星の磁気圏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/28 01:08 UTC 版)
「マグネティックセイル」の記事における「惑星の磁気圏」の解説
惑星の磁気圏の中では、マグネティックセイルは惑星の磁場を利用して、特に惑星の磁極を通過する軌道で、推進することができる。 惑星の磁気圏の中でのマグネティックセイルの航行はプラズマ風の中よりも限定される。セイルは磁極へ引き付けられるか、反発することしかできない。 マグネティックセイルの磁場が磁気圏と反対方向に向けられた場合、近い磁極への内向きの力を受ける。磁気圏と同じ方向に向けられた場合、反発して逆の影響を受けることになる。重要な点だが、マグネティックセイルは磁気圏と同じ方向を向いているときに安定ではなく、何らかの方法によりそれ自身で逆の方向に反転して防がなければならないだろう。 マグネティックセイルの推力は、惑星内部の磁気ダイナモからの距離の4乗により減少していく磁気圏により決定される。 惑星の磁気圏では可能な操作は制限されるものの、セイルは十分役に立つ。軌道上でマグネティックセイルの磁場の強さを変化させ、"近地点キック"を行うことで、より高い遠地点の軌道に上がることができる。 軌道ごとにこの過程を繰り返すことで、マグネティックセイルが惑星の磁気圏を離れ、有効な太陽風を捉えられるようになるまで、セイルの遠地点をより高い位置に動かし続けることができる。目的地の惑星に到着したときは、同じくこれと逆の過程で、遠地点を下げるか円軌道に変えることができる。 理論上、マグネティックセイルを直接惑星の磁極近くの表面から、惑星の磁場により弾いて打ち上げることは可能である。しかし、マグネティックセイルは"不安定な"方向を維持する必要がある。地球からの打ち上げでは、よく知られている高温超伝導体の80倍の電流密度を持つ超伝導体を必要とする。
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