情報リテラシーの日本的概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:54 UTC 版)
「情報リテラシー」の記事における「情報リテラシーの日本的概念」の解説
日本では情報リテラシー理解は特有のものであり、国際的な理解とは異なる点がある。 日本では、情報機器を活用して情報社会を生きていく能力といったニュアンスで使われているようである。 図書館情報学者の根本彰は「情報リテラシー」の日本での理解とACRLによる定義(ACRL,2000)を比較、分析している。根本によれば、日本で理解されている「情報リテラシー」は、コンピュータシステムを利用する方法の習得であり、定型的な学習スキルを重視している。対して、ACRLによる定義における「情報リテラシー」は、情報環境全体から情報を得るための能力全般を指す。また、情報利用の認知的・評価的側面が重視されている。つまり、アメリカでは、図書館も含めた一般的な情報利用環境における情報のありようが問題とされており、コンピュータを用いた情報システムという情報環境だけを想定しているわけではない。また、利用するだけでなく、探索し、評価することに重点が置かれている。 また、インターネット利用について、日本とアメリカの情報リテラシー教育の違いがどのように現れているかにも違いがある。日本では、インターネットの技術的な部分やサービスの仕組みとそれを使用する方法に加え、セキュリティの問題、倫理的な問題、個人情報、著作権の保護についての一般的な注意を行う。対して、アメリカでは、技術的な部分は軽く済ませて、個々のサービスが何を提供するか、利用するためにはどのような方法があるのか、どのような情報が引き出せるのか、さらに情報の特性や利用方法の検討、内容のあり方、利用の仕方、内容の評価にまで踏み込む。
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