性質・反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/13 00:07 UTC 版)
ピリジン類縁体ではあるが、電子状態はそれとかなり異なっている。ピリジンの孤立電子対は分子のHOMOにあるため、σ供与性が高い。だがホスホリンの場合、そのHOMO・LUMOはそれぞれπ・π*軌道であるため、孤立電子対のエネルギーが低い。そのためピリジンに比べπ受容性が高くσ供与性が低い。ホスホリンのリン原子は+0.55e、ピリジンの窒素原子は−0.67eの電荷を帯びていることからも、その求核剤との反応性の違いが分かる。窒素の電気陰性度が高いため、ピリジンは求核剤と2位で反応する。だが、ホスホリンの場合、求核剤はリン原子を攻撃し、λ4-ホスホリンアニオンを与える。これはさらに求核剤と反応し、λ5-ホスホリンとなる。最近λ4-ホスホリンアニオンが遷移金属にπ供与体として配位することが報告された。 メチルリチウムとの反応でλ4・λ5化合物が生成する 臭素化・アシル化などの求電子置換反応に関しては、通常の芳香族化合物と同じである。
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