微分作用素の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/21 14:17 UTC 版)
微分演算 D は線型(英語版)である。すなわち、 D ( f + g ) = ( D f ) + ( D g ) , {\displaystyle D(f+g)=(Df)+(Dg),} D ( a f ) = a ( D f ) {\displaystyle D(af)=a(Df)} を満たす。ここに f と g は函数であり、a は定数である。 函数係数の D を変数とする任意の多項式も、微分作用素である。また、微分作用素の合成は ( D 1 ∘ D 2 ) ( f ) = D 1 ( D 2 ( f ) ) {\displaystyle (D_{1}\circ D_{2})(f)=D_{1}(D_{2}(f))} という規則に基づいて扱うことができるが、いくつかの注意が必要である。まず、作用素 D2 に関する任意の函数係数は、D1 を適用するのに必要なだけの何倍も微分可能でなければならないことである。そのような(函数係数の)作用素の環を得るには、全ての係数の任意階数の導函数を用いることを仮定せねばならない。第二に、この環は可換にはならないことである。作用素 gD は一般には Dg に等しくない。事実として、量子力学の基本的な関係式 D x − x D = 1 {\displaystyle Dx-xD=1} を例に挙げることができる。D を変数とする定数係数多項式であるような作用素全体の成す部分環は、対照的に可換である。この部分環は、別な方法で特徴付けることができる。この環は平行移動不変な作用素のすべてからなる。 微分作用素にシフト定理(英語版)(shift theorem)も従う。
※この「微分作用素の性質」の解説は、「微分作用素」の解説の一部です。
「微分作用素の性質」を含む「微分作用素」の記事については、「微分作用素」の概要を参照ください。
- 微分作用素の性質のページへのリンク