御成敗式目と敵討
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 08:00 UTC 版)
御成敗式目(貞永式目)第十条には、殺人や傷害、役職目的の殺人や強盗殺人の規定があるが、このなかに敵討の禁止を定める規定がある。 (・・・次に)或いは子或いは孫父祖の敵を殺害せんに於ては、父祖縦え、相知らずと雖も、其の罪に処せ被る可し。父祖の憤りを散ぜんが為に、忽ちに宿意を遂ぐるの故也。 — 御成敗式目第十条 現代訳:(大意)子や孫が父祖の仇を殺した場合、(殺人をおかした犯人の)父や祖父がそのことを知らなくても同じ罪(死刑か流罪・財産没収)を課せられる。父祖の憤りを充たすために宿願を遂げたのであるから。 父祖が死亡している場合はもとより無関係であるが、父祖が存命中に子孫が父祖のために敵討をすれば、父祖も連座で罰せられるとの規定である。御成敗式目では父祖のための敵討は処罰の対象とされており、江戸時代に見られる敵討の文脈とは異なるものである。曾我兄弟の仇討ちでは敵討後に捕えられた弟・曾我五郎時致は斬首されており、源頼朝の代の先例に準じる御成敗式目の規定はこの処置に沿っている。
※この「御成敗式目と敵討」の解説は、「敵討」の解説の一部です。
「御成敗式目と敵討」を含む「敵討」の記事については、「敵討」の概要を参照ください。
- 御成敗式目と敵討のページへのリンク