得られる結果の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 10:52 UTC 版)
ABC予想を真だと仮定すると、多数の系が得られる。その中には既に知られている結果もあれば、予想の提出後に予想とは独立に証明されたものもあり、部分的証明となるものもある。ABC予想がもし早期に証明されていたなら、得られる系という意味での影響はもっと大きかったが、ABC予想が成立した場合に解決される予想はまだ残っており、また数論の深い問題と数多くの結び付きがあるので、ABC予想は依然として「重要な問題」であり続けている。「有限個に限定される」ことが結論である命題(予想)の証明に役に立つ。 トゥエ=ジーゲル=ロスの定理 代数的数のディオファントス近似に関する定理。 フェルマーの最終定理 ただし指数が十分大きい場合。どの程度大きければよいかは K(ε) に依存する。定理自体は、ABC予想とは独立にワイルズが証明した。ある K(ε) が具体的に求まれば、有限個の例外を直接計算することにより、原理的にはすべての指数 ≥ 4 に対して証明が可能である。ε = 1 のとき K(1) = 1 という予想もあり、この仮定の下で、指数が 6 以上の場合は直ちに証明される (Granville & Tucker 2002)。望月らは、フェルマーの最終定理の別証明を与えたとプレプリントで公表し、いくつかの誤りを認めた後2021年10月11日に別証明の達成を宣言した。 モーデル予想(ファルティングスの定理) (Elkies 1991) エルデシュ=ウッズ予想(英語版) ただし有限個の反例を除く (Langevin 1993)。 非ヴィーフェリッヒ素数(英語版)が無限個存在すること (Silverman 1988)。 弱い形のマーシャル・ホール予想(英語版) 平方数と立方数の間隔に関する予想 (Nitaj 1996)。 フェルマー=カタラン予想 フェルマーの最終定理の拡張であり、冪の和である冪を扱う (Pomerance 2008)。 ルジャンドル記号を用いて記述したディリクレのL関数 L(s, (-d/.)) がジーゲル零点(英語版)を持たないこと 正確には、このためには上で紹介している有理整数を扱うABC予想に加えて、代数体上の一様なABC予想を用いる。(Granville & Stark 2000)。 Schinzel–Tijdeman theorem P を少なくとも3つ以上の単根を持つ多項式とすると、P(1),P(2),P(3), … の中には高々有限個しか累乗数が存在しない、という定理 (1976)。 ティーデマンの定理(英語版)の一般化 ym = xn + k が持つ解の個数について。ティーデマンの定理は k = 1 の場合を述べている。また、Aym = Bxn + k が持つ解の個数に関するピライ予想 (1931)。 グランヴィル=ランジュバン予想(英語版)と同値。 修正したスピロ予想。 これは境界として rad ( a b c ) 6 5 + ε {\displaystyle \scriptstyle \operatorname {rad} (abc)^{{\frac {6}{5}}+\varepsilon }} を与える (Oesterlé 1988)。 任意の整数A について、n! + A = k2 が有限個の解しか持たないこと(一般化されたブロカールの問題) (Dąbrowski 1996)と同値。
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