影響力と音楽様式とは? わかりやすく解説

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影響力と音楽様式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 02:15 UTC 版)

アドリアン・ヴィラールト」の記事における「影響力と音楽様式」の解説

ヴィラールトルネサンス時代の最も器用な作曲家一人であり、ほとんどすべての既存音楽様式楽式によって作曲している。人間的な力量によって、また「聖マルコ寺院楽長」という中核的な地位によって、ヴィラールトジョスカンの死からパレストリーナ時代到来までの間、ヨーロッパ中で最も影響力のある音楽家となったヴィラールトは、後にヴェネツィア楽派分割合唱様式発展遂げ上でいしずえとなるような交唱様式開発した信じられている。聖マルコ寺院本祭壇の両側には、2つ聖歌隊席があり、それぞれにオルガンが1台備え付けてある。ヴィラールト合唱団二つ部分分け、それらを交互に、あるいは同時に利用している。そして詩篇などの宗教曲を、2つ交代しあう合唱のために作曲し演奏したこのような新機軸はたちまち成功をおさめ、新たな方法論発展に強い影響及ぼしたのである1550年ヴィラールトは《分割合唱のための詩篇集 Salmi spezzati 》を出版した。これがヴェネツィア楽派最初コーリ・スペッツァーティ様式による作品である。ヴィラールトこのような交唱様式ないしは複合唱方法最初に用いた作曲家というわけではなかったにかかわらず、それを有名にした最初の人物であるとは言えるだろう。 ヴィラールト作曲家としてだけでなく、教育者としても傑出していた。門弟には、チプリアーノ・デ・ローレや、聖マルコ寺院後任楽長コスタンツォ・ポルタ、フランチェスコ・ダッラ・ヴィオラ、ジョゼッフォ・ツァルリーノアンドレーア・ガブリエーリとその甥ジョヴァンニがいる。彼らが来たるべきヴェネツィア楽派となった世代であり、バロック音楽開始時代告げる、音楽様式変化時期決定的な痕跡を残すことになったのであるヴィラールトは非常に多数作品を遺した。8曲のミサ曲50曲以上の詩篇唱150曲以上のモテット、およそ60曲のフランス語シャンソン70曲以上のイタリア語マドリガーレ、そして若干器楽曲リチェルカーレである。

※この「影響力と音楽様式」の解説は、「アドリアン・ヴィラールト」の解説の一部です。
「影響力と音楽様式」を含む「アドリアン・ヴィラールト」の記事については、「アドリアン・ヴィラールト」の概要を参照ください。

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