建材利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 18:37 UTC 版)
半乾燥地であるインド北西部では、村落部の多くで家屋の壁や床を土で構築し、一部では土間の強化のためウシの糞尿を加える。グジャラート州カッチ県では、赤土に対して1:1の比率でコブウシの糞を加え、少量の水を加えて練り合わせる。これを土間に均一に塗った上からコブウシの尿をかけ、半日ほどかけて乾燥させると完成となる。牛糞に含まれる腸内細菌や未消化の食物繊維によって、埃の立たない丈夫な床になると考えられている。糞尿を混ぜない場合は1ヶ月で土間が崩れるが、混ぜた場合は1年ほど維持できるという。 同地ではかまども同様に赤土と牛糞を原料とし、これに水と灰を加える。かまどは火を入れて使うため焼結し、数年間は使用できる。これらの作業には女性のみが従事する。 この他、モンゴルでは排泄されたばかりの柔らかい牛糞を、ヤナギの枝で組んだ柵や壁に塗布する。また、家畜小屋の穴を塞ぐのにも使い、寒気から家畜を保護する。エルサルバドルでは、粘性を増すために粘土に牛糞を加えてスペイン瓦を生産している。牛糞はふるいにかけて細かくし、粘土に対して約8:2の比率で加えて土練りを行う。 また、東アフリカの牧畜民であるマサイ族の伝統的な家屋にも、土と牛糞が資材として用いられている。
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