幻冬舎の上場廃止を目指すが謎のファンドが出現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:30 UTC 版)
「見城徹」の記事における「幻冬舎の上場廃止を目指すが謎のファンドが出現」の解説
2003年、幻冬舎はジャスダック市場に上場する。しかし、見城は、数年も経つと出版社として上場しているメリットよりもデメリットの方が大きくなっていると感じていたという。つまり、社外の株主によって出版社経営方針が左右されてしまう怖れがある。最悪には会社資金が社外株主に吸い出されてしまうという事態がある。そこで、2010年10月28日、見城は「TKホールディングス」という会社を通じて幻冬舎の株式を公開買付(TOB)し、MBO(マネジメント・バイ・アウト:経営者による自社買収)により上場廃止をしようとした。しかし、ここで予想外の事態が発生する。「イザベル・リミテッド」という謎の投資ファンドが出現し、TOBの価格を上回る価格で幻冬舎の株式を4割近く買い集めたのだ。MBOが成立しなければ、幻冬舎は謎のファンドを株主に抱えながら上場を維持していかなければならない。イザベル・リミテッドは高値での株式買い取りを要求してきたが、見城はこれを拒否し、ファンドと戦うため、銀行に自宅をはじめてすべての財産を担保にいれて資金を準備した。イザベル・リミテッドは幻冬舎の株式の3分の1以上を所持しているため、株主総会で提案された重要事項を否決できる。しかし、見城は、上場廃止するための臨時株主総会を開催することを決意する。 MBOを成立させるための条件だが、臨時株主総会に参加した株主のうち、3分の2以上の賛成を得て定款の書き換えを行わなければならない。イザベル・リミテッド側の人物もしくはその信用買いを支えた証券会社の代理人が臨時株主総会に出席し、定款の書き換えに反対するとか、あるいは棄権をすれば、定款の書き換え議案は否決され、MBOは不成立になる。要するに、イザベル・リミテッド側が臨時株主総会に出席すれば、MBOは不成立という条件だった。2011年2月15日、臨時株主総会当日。イザベル・リミテッド側は臨時株主総会に「欠席」した。こうして幻冬舎の上場廃止が決まった。
※この「幻冬舎の上場廃止を目指すが謎のファンドが出現」の解説は、「見城徹」の解説の一部です。
「幻冬舎の上場廃止を目指すが謎のファンドが出現」を含む「見城徹」の記事については、「見城徹」の概要を参照ください。
- 幻冬舎の上場廃止を目指すが謎のファンドが出現のページへのリンク