市民による非政府構造社会の構築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:27 UTC 版)
「ロジャヴァ」の記事における「市民による非政府構造社会の構築」の解説
2012年7月、クルド民主統一党(PYD)とクルド国民評議会(KNC)によって、クルド人最高委員会(Desteya Bilind a Kurd, DBK)がロジャヴァの統治主体として設立された。委員会のメンバーはPYDとKNCのそれぞれから同じ人数が参加する。2013年11月、PYDは隣接しない3つの自治区(ジャジラ、コバニ、アフリン)からなる暫定政府の発足を発表した。 民主的連邦制(英語版)とコミュナリズム(英語版)に動機づけられたロジャヴァの政治システムはアナキズムとリバタリアニズムの原則に影響を受けており、多くの場合リバタリアン社会主義とみなされる。ロジャヴァの憲法は通貨、財産権、自由貿易を保障している。教育、安全保障、行政のための資源を共同管理するコミュニティが基本単位となり、経済活動に関するコミュニティの決定は政府から干渉を受けない。すなわち誰に売るか、資源をどう分配するかといったコミュニティの決定は一切制限されない。そして社会構造の変革、男女同権、持続可能な環境資源戦略を推し進めている。 政治作家のデビット・ロマノ(David Romano)はこのロジャヴァの政治システムを「上昇型の、アテネ式直接民主政治」と表現している。彼は「責任を与えられた地域のコミュニティ」と、「多くの州(states)に支持された強力な中央政府」とを対比している。ロジャヴァのモデルでは州の重要性は薄くなり、初期のアメリカや分離同盟戦争によって連邦国家になる以前のスイスに似た形の委員会を通して人々が統治を行う。ロジャヴァは地方自治体をカントンと名づけた。これはスイスの地方行政区画に倣っている。
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