小惑星の有する資源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 04:20 UTC 版)
小惑星が持つ資源は用途別に次の3つに大別される。 宇宙空間で利用される消費財 - ロケット燃料や呼吸・飲用としての水・酸素・アンモニア・メタンなど地球上では価値は低いが輸送が困難な宇宙空間では高い価値を有するもの 彗星に多く含まれる。 宇宙空間で利用される建築資材 - 月のレゴリスやM形小惑星の鉄・ニッケルなど地球上では価値は低いが輸送が困難な宇宙空間では高い価値を有するもの 月や多くの小惑星が利用できる。 地上においても高い価値を有する資源 - 金・銀・プラチナ・インジウムなど希少金属。M形小惑星に多く含まれるが、あくまで地球の地殻と比べてであり、隕鉄の分析から金はおよそ5ppmほど、Pt:Ir:Auで存在比は6:1.5:1ほどと推定される。また星によっても濃度に差があると考えられる。このため精錬なしで地上に持ち帰るのは非現実的である。ちなみに金の濃度は地球の地殻に平均して0.0015ppmあり、金鉱山として経済的に成り立つには平均して1,000キログラムあたり0.5グラムの金を産出する必要がある。典型的な鉱山では、露天掘りで1 - 5グラム/1000キログラム (1 - 5ppm)、通常の鉱山で3グラム/1,000キログラム (3ppm) 程度である。 小惑星が有する資源価値の一例 小惑星推定価値(US$10億)推定利益(US$10億) Δ V ( k m / s ) {\displaystyle \Delta V(km/s)} 組成Ryugu 83 30 4.663 ニッケル、鉄、コバルト、水、窒素、水素、アンモニア 1989 ML 14 4 4.889 ニッケル、鉄、コバルト Nereus 5 1 4.987 ニッケル、鉄、コバルト Bennu 0.7 0.2 5.096 鉄、水素、アンモニア、窒素 Didymos 62 16 5.162 ニッケル、鉄、コバルト 2011 UW158 7 2 5.189 プラチナ、ニッケル、鉄、コバルト Anteros 5,570 1,250 5.440 ケイ酸マグネシウム、アルミニウム、鉄 ケイ酸 2001 CC21 147 30 5.636 ケイ酸マグネシウム、アルミニウム、鉄 ケイ酸 1992 TC 84 17 5.648 ニッケル、鉄、コバルト 2001 SG10 3 0.5 5.880 ニッケル、鉄、コバルト Psyche 27.67 1.78 - ニッケル、鉄、コバルト、金
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