家賃支援給付金事業の受託をめぐる問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 11:32 UTC 版)
「電通」の記事における「家賃支援給付金事業の受託をめぐる問題」の解説
上記持続化給付金事業の受託を巡る問題に引き続き、2020年(令和2年)6月、経済産業省中小企業庁による家賃支援給付金事業を巡り、サービスデザイン推進協議会、電通、そして電通ライブを通して持続化給付金事業の一部を再々々受託していた大手イベント会社テー・オー・ダブリュー(TOW)担当者の行為が問題となっている。同TOW担当者が、この家賃給付金事業について複数の下請け会社に、もし電通とは別の広告大手博報堂がこの事業を受託しそれに協力した場合、出入禁止相当の対応をとる等と電通以外の広告会社に協力しないよう圧力をかけ、さらに電通社員がこの問題に関与していた疑いが判明した。これを受け、取引先企業が下請け会社に圧力をかける独占禁止法違反・下請法違反に抵触する可能性のある行為に、電通が社員が関与したことを認めたものと報じられた。電通は同年6月17日に「社員が受発注関係にある協力会社の従業員に業務にまつわる不適切な発言を行った」として厳正に処分すると発表したが、当該社員の上司への厳重注意処分に留まった。 結果として、家賃給付金事業入札に参加していた2社のうち、博報堂は同事業を落札できずリクルートが落札し、電通の求めた通りとなった。さらにリクルートが共に事業を担う他5社には電通の下請けとして持続化給付金事業に関与している企業は入っていないため、この点も電通が求めた通りになった。このように、上述の持続化給付金事業でサービスデザイン推進協議会が落札した過程同様に、この家賃給付金事業においても委託先選びなど入札過程が不透明だと指摘されている。 これに対し、経産省による渦中のサービスデザイン推進協議会への聞き取りで、当該担当電通社員が個人としてテー・オー・ダブリュー(TOW)担当社員に対し圧力をかけたものであり、電通が当該社員を処分し再発防止策等を示したとして、梶山弘志経産相は追加調査をしない考えを示した。一方で公正取引委員会山田弘審査局長は、独禁法の規定に基づいて適切に対処したいと述べた。しかし2020年12月17日、電通に対する行政調査に基づき公正取引委員会が行った措置は、独占禁止法の「注意」「警告」「排除措置命令」のうち最も軽い「注意」措置に留まった。
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